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安田 健一郎; 桜井 聡; 軍司 秀穂; 臼田 重和
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.552 - 555, 2002/11
IAEAの93+2計画に基づく保障措置システムの強化に対応するため、原研では高度環境分析研究棟(CLEAR)を整備し、保障措置環境試料中に含まれる極微量核物質の分析技術を開発している。試料間の相互汚染やクリーンルームへの汚染を避けるために、CLEARに持ち込む放射性物質の量的制限の設定を検討している。測定方法として、発表者は、オートラジオグラフィーの一種であり、試料中における低レベルの放射能分布測定に有効であるイメージングプレートの適用性を検討した。予備試験において、線及び線源としてサマリウム(Sm-147)及びカリウム(K-40)試薬を測定した。線では0.05~0.1Bq,線では0.01~0.2Bqの領域において、測定値は放射能に対して線形性を示した。線の検出限界を0.05Bqとすれば、約2g程度の天然ウランの検出が期待できる。
安田 健一郎; 森 賢仁*; 宮本 ユタカ; 間柄 正明; 桜井 聡; 臼田 重和
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.576 - 578, 2002/11
保障措置環境試料中における核物質の極微量分析のため、原研はクリーンルーム施設を整備している。本施設に持ち込まれる試料のうち放射性物質量が過剰なものを仕分け(スクリーニング)するには、非破壊測定による半定量分析が必要となる。アクチノイドから放出される線は一般に放出率が小さく低エネルギーであるため、核分裂生成物などから放出される、より高いエネルギーの線に起因するコンプトン散乱の影響を受ける。よって、高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器による精密測定は困難である。今回、数100 keV以下のコンプトン散乱を抑制するため、HPGe-LEPS, LO-AXを主検出器、NaI(Tl)をガード検出器としたアンチコンプトンシステムを設計・製作した。予備試験としてCs-137の線を測定し、50~400 keVにおけるバックグラウンドが約50%減少した。発表では、実試料の測定例も報告する。
坂本 義昭; 石井 友章*; 稲川 聡*; 軍司 康義*; 武部 愼一; 小川 弘道; 佐々木 朋三*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.481 - 484, 2002/11
ウラン廃棄物の安全評価において必要となるウランの娘核種のうち、AcとPaの土壌に対する吸着挙動を調べた。数種類の土壌にAcとPaを吸着させた後、KClCaCl,塩酸ヒドロキシルアミン,過酸化水素水による逐次抽出を行った。この結果、Acの吸着形態は、KとCaで抽出されるイオン交換的な吸着成分(20-30%)とこれらの試薬で抽出されない土壌への固定成分(60-70%)からなり、Paの吸着形態は、塩酸ヒドロキシルアミンで抽出される非晶質Fe+Mn酸化物への吸着(20-50%)及び土壌への固定成分(40-50%)からなることを示した。これらの結果から、AcとPaの土壌への吸着が不可逆的な吸着形態を取ることを明らかにした。
桑原 潤; Tolmachyov, S.; 野口 宏
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.556 - 559, 2002/11
迅速な尿中ウラン分析のためのフローインジェクションシステムを開発した。このシステムは自動サンプリング装置,抽出クロマトグラフィによる分離装置及び誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)から構成される。自動サンプリング装置から導入された尿試料は、抽出クロマトグラフィ樹脂により化学分離され、目的元素であるウランは樹脂中に保持される。次にウランを溶離する液を分離装置に通すが、このときに液の流路をICP-MSに接続することで溶離したウランは直ちに測定される。このシステムを用いることで化学分離から測定までを1試料あたり10分以内に完了することができる。また、化学分離操作を自動化したことで分析者の労力を大幅に削減できる。
大道 敏彦*; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.156 - 159, 2002/11
岩塩型アクチノイド化合物(MX,M:アクチノイド,X:メタロイド)の幾つかの熱力学及び磁気的性質を原子間距離を基に類推した。MXの結合エネルギーの報告値は、二,三の例外を除いてポーリングの式を用いて求めた結合電子密度と比例関係を示した。一方、全価電子から結合電子を除いた電子数と有効磁気モーメントの報告値との関係は、L-Sカップリング及びフントの法則から計算したものと良く一致したことから、この電子数は局在する5f電子数に相当するものと考えられる。これらの結果を用いて、MX中のアクチノイド原子の酸化状態や磁気エントロピーの寄与等についても議論した。
中島 邦久; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.620 - 623, 2002/11
試料には、炭素熱還元法で調製した窒化物を使用し、酸素濃度,水分濃度いずれも数ppm以下に抑えたアルゴンガス雰囲気グローブボックス内に設置された示差走査型熱量計を用いて比熱容量を測定した。測定は、高純度アルゴンガス気流中(100ml/min),昇温速度10K/min,100K間隔で昇温し323Kから1023Kまでの温度範囲で行った。粉末試料の場合、測定中かなり低い温度(~370K)から試料の酸化に起因すると考えられる熱流束変化が認められたが、焼結体試料を用いることでこの問題は避けられた。DSC装置の確度を知るためにUOの比熱測定も行った。その結果、文献値とほぼ一致することがわかった。UN及びPuNの比熱測定値は実験誤差の範囲内でほぼ文献値と一致した。一方、NpNの比熱値はUN及びPuNの比熱値とほぼ同じ値を有することがわかった。
白井 理; 魚住 浩一*; 岩井 孝; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.745 - 748, 2002/11
0.2-1.0wt%のUClを含むLiCl-KCl共晶塩系でのUNの溶解挙動をボルタンメトリーによって調べた。U/U及びU/Uの電極反応との比較から、UNの生成自由エネルギー及びUNClの生成自由エネルギーの評価を行った。これを基に、陽極でUNを溶解しながら、陰極でU金属の回収試験を行った。この時、窒素ガスの定量を行い、電解挙動との関係を調べた。
山下 利之; 蔵本 賢一; 中田 正美; 山崎 哲*; 佐藤 剛*; 松井 恒雄*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.585 - 591, 2002/11
蛍石型やパイロクロア型構造の立方晶ZrO化合物は、化学的物理的安定性が高いうえにアクチノイドを自格子中に閉じ込めることができるため、不活性マトリクス燃料や放射性廃棄物体への応用面で注目されている。これらの構造を持つ化合物では、酸素空孔の配列が重要な役割を果たす。アクチノイド酸化物-ZrO固溶体で蛍石型構造を持つ相は安定化ジルコニアと呼ばれ、すべての陽イオン,酸素イオン,酸素空孔はランダムに分布する。一方、パイロクロア構造相においては、酸素空孔の規則配列化が生ずる。本報では、アクチノイド酸化物-ZrO系に関する格子定数や相関係をレビューし、アクチノイドの原子価やイオン半径,酸素空孔配列をもとに格子定数変化やパイロクロア構造層の出現を考察する。また、最近得られた蛍石型(Np, Zr)O固溶体のメスバウア分光結果も考慮する。
田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 小川 弘道
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.524 - 527, 2002/11
Puの吸着に及ぼすフミン酸の影響について、フミン酸を吸着しない海岸砂及びフミン酸を良く吸着するクロボク土を用いてフミン酸の分子サイズとの関連から検討した。Puの海岸砂への吸着能はフミン酸濃度が高くなるにしたがって低下した。一方、クロボク土への吸着能は極低濃度のフミン酸を共存する場合に最も高くなり、フミン酸濃度の増加とともに減少した。また、吸着前後における液相中のPuとフミン酸の分子サイズを限外濾過法によって調べた結果、フミン酸のPuとの錯形成能と土壌への吸着能は分子サイズによって異なり、これらに支配的な分子サイズはフミン酸濃度が高くなるにしたがって小さなサイズ領域にシフトすることを明らかにした。
木村 貴海; 永石 隆二; 尾崎 卓郎; 有阪 真*; 吉田 善行
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.233 - 239, 2002/11
高温高圧水溶液(水熱溶液)は種々の地球環境において見いだすことができるが、水熱条件下でのウランの加水分解,錯形成などに関する実験的研究はきわめて少ない。水熱溶液中で金属イオンの分光測定を行うための光学セルを開発し、時間分解レーザー誘起発光分光法と組み合わせてウラン(VI)の発光特性の測定から状態分析(スペシエーション)を試みた。溶液の温度(298-473K),圧力(0.1-40MPa),pH,配位子濃度などをパラメータとして、ウラン(VI)の発光スペクトル及び発光寿命を測定し、熱力学モデル及びデータに基づいて計算した溶存種分布と比較した。発光寿命の温度依存性から、ウラン(VI)の水和イオン,加水分解種,硫酸錯体,及びフッ化物錯体の活性化エネルギーを決定した。これらの結果から、ウラン(VI)溶存種の計算に用いたモデル及びデータの妥当性を新溶存種生成の可能性とともに議論する。
本岡 隆文; 木内 清
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.367 - 370, 2002/11
ネプツニウム含有硝酸溶液中でのステンレス鋼の腐食挙動を研究した。SUS304Lステンレス鋼を用いたネプツニウム含有硝酸溶液中での腐食試験を、浸漬と伝熱状態で実施した。ステンレス鋼の腐食速度を重量減量測定と金属イオンの定量分析から求めた。腐食面の形態は走査型電子顕微鏡で観察した。また、腐食の加速機構を電気化学及び分光測定法を用いて調べた。硝酸溶液中のステンレス鋼の腐食は、ネプツニウムの添加によって加速した。粒界優先の腐食形態が観察され、浸漬状態と比較して伝熱状態で腐食は激しかった。分極測定よりネプツニウム存在下ではカソード分極が減少しカソード電流が増加すること、分光測定より沸騰硝酸中ではNp(V)がNp(VI)に酸化することを明らかにした。ネプツニウム含有硝酸溶液中の腐食加速機構として、Np(V)の再酸化機構を提案した。
林 博和; 小林 紀昭; 小川 徹; 湊 和生
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.624 - 627, 2002/11
窒化物燃料の再処理に溶融塩を用いた高温化学法を適用することによって、高価なN-15をリサイクルすることができる。この概念の検証を目的として、ウラン窒化物(UN及びUN)を塩化リチウム-塩化カリウム共晶溶融塩中で塩化カドミウムと反応させることによって溶解し、放出される窒素ガスを定量した。その結果、大部分の窒素がNとして放出されることが確認された。窒素ガス放出の見られる温度は、これまでの報告にあるTRU窒化物の模擬物質として使われた希土類窒化物の場合よりも高温であった。
岡本 芳浩; 赤堀 光雄; 伊藤 昭憲; 小川 徹
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.638 - 641, 2002/11
LiCl-KCl共晶塩中の、UCl融体の局所構造について、U原子L吸収端XAFS測定によって調べた。XAFS測定は、高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設BL27Bで実施した。ウラン水素化物の塩化によって調製した、UClを亜鉛粉末で還元してUClを得た。カーブフィッティング解析の結果、最近接U-Cl相関に関する構造情報を得た。MD計算とXAFSシミュレーションコードFEFF8の併用から、最近接U-Cl相関の相互作用について評価した。また、いくつかのウランハロゲン化物のXANES測定を行い、そのシフトから原子価について評価した。
音部 治幹; 中村 彰夫; 山下 利之; 小川 徹
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.652 - 655, 2002/11
パイロクロア型ジルコニアは高レベル放射性核廃棄物の処分形として幅広く研究されている。われわれは、 P-type ZrPu(Ce)Oの酸素ポテンシャル (g(O))を測定するために、立方晶ジルコニアセンサーを用いたEMF測定装置を開発した。P-type ZrCeOは、1078Kでg(O)と組成xの関係が、xが0.34より大の時とxが0.34より小の時で異なった振舞いをすることがわかった。これは、x=0.34付近で酸素イオンと酸素空孔の秩序の仕方や度合いが変化したことを示しているのかもしれない。また、いろいろなxで763Kから1078Kの間でg(O)と温度の関係を測定して、そこから酸素の部分モルエンタルピーh(O)とエントロピーs(O)を導出した。P-type ZrCeOのh()とs(O)は、蛍石型CeOとは大きく異なっていることがわかった。同様な実験をP-type ZrPuOでも進めており、その結果は、上述したP-type ZrCeOの結果と比較する。
佐藤 忠; 岡本 芳浩; 小川 徹
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.635 - 637, 2002/11
線減衰法により溶融状態の混合塩化物NdCl-NaClとNdCl-KClの密度を測定した。Ho-166m放射線源からの線をGe-検出器を備えた多重波高分析器で測定し、石英セル中の溶融混合塩化物による減衰を求めた。溶融混合塩化物の密度は線の減衰率と吸収係数及び石英セルの長さから求めた。測定された密度データーはdilatometric法で測定された同じ系の密度データーと比較された。
山下 利之; 山崎 哲*; 佐藤 剛*; 松井 恒雄*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.656 - 659, 2002/11
耐放射線損傷性と相安定性に優れ新燃料や高レベル廃棄物材料として注目されているイットリア安定化ジルコニア(YSZ)について、PuOとの反応を空気,真空及び水素雰囲気中で調べた。得られた蛍石型固溶体相の格子定数はPuの固溶に従い増加し、Puは少なくとも50%以上YSZ中への固溶することがわかった。固溶体の格子定数をPu含有量関数として定めた。また、蛍石型固溶体相の熱膨張を高温X線回折法により空気中1273Kまでの範囲で調べた。Pu含有量0~25%の固溶体の熱膨張係数は6~1210Kの範囲にあり、1000K以上の温度でPu添加量の増加に従い熱膨張係数は小さくなることがわかった。
伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 高野 公秀; 小川 徹; 沼田 正美; 糸永 文雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.737 - 740, 2002/11
(Am, Y)N及び(Am, Zr)Nのアメリシウム系混合窒化物をAmO,YO及びZrOを出発原料として炭素熱還元法により調製した。Am-Y系窒化物では、化学量論組成以上の過剰炭素条件下,1300及び1500の2段加熱法を適用することにより、10~30mol%AmNの範囲で、酸化物が無く、固溶酸素量も低い混合窒化物固溶体を得ることができた。
高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 小川 徹; 沼田 正美; 木崎 實
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.842 - 845, 2002/11
(Cm,Pu)混合酸化物及び窒化物固溶体の線自己損傷による格子の膨張をX線解析により測定した。元の酸化物はCmの崩壊により、(Cm,Pu)Oの組成を持っていた。これを643K及び1073Kで加熱した後、格子定数の時間変化を観察したところ、約5日で変化は収束した。格子定数の膨張率はともに2.610であったが、格子定数の初期値はそれぞれ0.5394,0.5388nmであった。炭素熱還元法により酸化物から窒化物固溶体を調製し、同様に格子定数変化を観察した結果、初期の格子定数は0.4945nmで、膨張率は3.510であり、酸化物に比べて大きい膨張率であった。
中村 彰夫; 吉井 賢資
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.160 - 163, 2002/11
螢石型二酸化ウラン(UO)はネール温度(T)30.8Kの反強磁性体である。前報において筆者等は、UOにこれに固溶しないTiO(x=1.0, 1.5, 2.0)系を混ぜ、高温で熱処理すると、Tはほぼ一定のまま、UOの反強磁性が弱強磁性へと変化していく挙動を示すことを見いだした。本報では、この反強磁性(AF)→弱強磁性(WF)移行挙動への洞察を深めるために、対象をM=Nb, V, Si等を含むUO-MO多相系へと拡げ、磁化率測定,粉末X線回折,EPMA分析等を用いて、検討を進めた。その結果、シリカ(SiO)等のd電子を有しない絶縁体を含む多相系においても他系同様このAF→WF移行現象は見られることがわかった。これらの実験事実から、本現象は、MOと密に接触したUO表面近傍での反強磁性転移に伴う格子歪み(酸素変位)の機械的抑制により惹起されるのではないかと現時点では考えている。
中本 忠宏*; 中田 正美; 中村 彰夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.102 - 105, 2002/11
幾つかの一価ネプツニル錯体の磁気的性質を、磁化測定及びNp-メスバウア分光法を用いて調べた。粉末試料の磁化測定の結果、ギ酸アンモニウム塩(NH)[NpO(OCH)](1)は2-300Kの温度範囲で常磁性体,また一水和ギ酸塩[NpO(OCH)(HO)](2)は12K以下で強磁性体になることがわかった。メスバウアの結果は、(1)が5.3K及び20Kで常磁性緩和を示すのに対して、(2)は5.3K及びT(=12K)以上においても、良く分離した磁気的微細構造による分裂スペクトルを示す。これらのスペクトルをネプツニル(O=Np=O)結合軸方向に束縛されたアイジング磁石的挙動によって生じる内部磁場を仮定して解析することができた。また粉末試料の磁化率データを、5f電子配置の基底L-S状態(H)の一軸性配位子場による分裂を考慮に入れて、矛盾なく説明できることを明らかにした。また、六水和フタル酸塩(NpO)(OC)CH6HOの特異な磁気的挙動についても報告する。